(最終更新日:2023/07/07)
脇見恐怖症の人は視覚に入った対象物に視線を向けてしまいます。しかしながら、これは一般の人でも起きており、専門には定位反応[1][2]と呼び、これは健康な人、誰しもに起きている反応(条件反射)です。
このように、✅:ヒトの視覚系等では「視覚に入ったもの(特に)動的物体を自動的に追視する」定位反応が自然と起きます。
↑定位反応とワーキングメモリとの脇見恐怖症の関わり合いを解説しています
脇見恐怖症の人と一般の人の視線の動き方の明確な違いについて:
一般の人では、何か奇妙なモノ、変わったもの、或いは自分の視野に入った対象物(特にこの場では人)について、一見はしますが、「今この場でこの人のことを凝視したら気まずい」という意志の力が働くので、その衝動を抑制することができます。
したがって、知らない誰かを、その社会的文脈上で過度に凝視してしまうことはありません。
しかしながら、脇見恐怖症の人ではこの衝動を抑制する力が脳機能の特性上弱くなっているので、「その社会的文脈上で凝視するべきではない対象物」を見つめてしまう、視線を頻繁にやってしまう、というようなことがより頻繁に起きます。
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〇脇見恐怖症とワーキングメモリの重要な関係:
要するに、脇見恐怖のある人では「今、この時、この状況でこの人に目をやるのは気まずい」という衝動を自分の意志で適切にコントロールできていないわけです。
✅もっと言えば、生理的にヒトに生じる定位反応をワーキングメモリを通じて抑制できていない。
脇見恐怖症を一言で的確に形容すればこの描写が妥当かと思います。
脇見恐怖症の原因。~衝動を抑える脳機能の機能低下~
具体的には、この現象はワーキングメモリー(作業記憶)という感情、衝動の抑制、物事の段取りや計画に関わる脳部位の機能低下がこのタイプの人ではほぼ確実に発生しているため引き起こされます。
ワーキングメモリは認知の座「前頭葉」が司る脳の機能※です。
■:簡潔にその機能を説明すると、「自分にとって不要な情報を遮断する」能力です。
この能力が低下すればするほど脇見恐怖症は発生しやすくなり、逆に強化されるほど脇見恐怖症は改善されていく(これが克服法になる)のです。
ワーキングメモリは定位反応のような条件反射(≒衝動)を抑制する機能を有しますので当然といえば当然の話です。
詳しくは下記の記事を参照ください。↓
〇脇見恐怖症状とワーキングメモリの重要な関係
まとめ~脇見恐怖症の本当の原因~
✅一般の人でも視界に入ったもの(特に動的対象)に思わず目は行きます。しかしながら、社会的文脈に合わせて、その衝動をコントロール(抑制)できるので、誰か特定の人物を自分の視野に入ったからと言って、凝視したり、見つめるようなことはまずありません。
しかしながら、
✅脇見恐怖症の人ではこの衝動の抑制に関与する脳部位の機能が低下しているので、ついつい視線で追ってしまったり、凝視してしまったりします。
(≒定位反応を抑制できていない)
脇見恐怖の克服の方法は、当ブログ記事を参照されてください。
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〇脇見恐怖症を克服する方法【2023】
〇脇見恐怖症を自力で克服 (←ブログ記事一覧へ戻る)
参考文献:
[1]: https://www2.sed.tohoku.ac.jp/library/nenpo/contents/23/23-09.pdf
[2]:http://www.ipc.hokusei.ac.jp/~z00105/wiki/wiki.cgi?%C4%EA%B0%CC%C8%BF%B1%FE